─ Alice ?─
微笑みを崩さぬまま、黒兎さんは淡々と話を続ける。
『この国の絶対的存在は君なんだよ、ありす。』
絶対的存在。前に誰かにもそう言われた。私が望めばそれでよい、と。皆が私を望んでいる、と。
『だから君が犠牲者になる必要なんて1%もないんだよ。犠牲者になるのは、ただ闇雲に君を手に入れようとする無能な住人たちで十分さ。』
それだけ言い放ち、優しく私の頬を撫でた。
『君がアリスに相応しくないのなら、この国が君に相応しくなればいいんだよ。』
「それって…──!!」
嫌な予感がした。黒兎さんが、何かとんでもないことを起こしそうな、この国が、崩れてしまいそうな──
『ありすとぼくだけのせかいのたんじょうだよ。』