─ Alice ?─
『また、逃げるの?』
兎姿のまま、彼は私にそう告げた。
「逃げる…?私は、別に…」
『また、僕らを置いて逃げるの?
黒兎を、救ってくれないの?』
悲しそうにそう告げた。
僕らを助けて。この世界を助けて。
そう、言葉を続けた。
「あっ…!待って、待って白兎!!」
軽やかに跳び跳ねてゆく白兎は此方を見ながら時々立ち止まる。
まるで私が付いてきているか確認しているように、何度も何度も振り返る。
夢中で追いかけた。
理由も分からず、ただ追いかけた。
追いかけなければいけない気がした。
『君はアリス。不思議の国のアリス。
そう決まったときから君はアリス以外の何者でもないんだ。
もし君がアリスに相応しくなくても…
君はアリスになるしかないんだ。』
黒兎さんと真逆のことをいう白兎。
なのに何故かすんなりと受け入れることができた。
『時は来たよ。裁判の時だ。』