─ Alice ?─
罪( ツ ミ )。
私は、アリスはどんな罪を犯しましたか?
「私は何も…何も悪くない。」
「素直に認めない貴女は有罪です。罰を下します。女王様、アリスに判決を。」
淡々と話は進んでいく。私の気持ちなんて関係無く。物語は進んでいく。
「アリス。貴女は自らの罪を否定し、この国を見捨てた。よって、首切りの刑に処する。」
「くっ、首切りっ!?ちょっと待っ…きゃあっ!!!!」
女王様は急に鎌を振りかぶり、私の首を取ろうとする。
爬虫類系の男は箱のような物に腰掛け、汚いものでも見るように私を見つめる。
「あら、逃げないでアリス。貴女の首、綺麗に残してあげるから。」
なんて異様な光景だろう。小柄な女性が鎌を振り回し、大勢の傍観者がいるのに静寂が裁判所を包む。
「首を切られるのが嫌ならば、罪を認めなさい。選択肢は二つだ。」
「そんなっ…きゃああぁああ!!!」
足がもつれ、地面に倒れ込む。刹那、鎌が私の首を目掛け振りかぶられる。
「なっ…何をするの!?離しなさい!!」
痛みは襲ってこなかった。その代わりに聞こえた動揺の言葉。
『嫌だよ、ハートの女王様。僕のアリスに手を出さないでよ。』
私と女王様の間には気持ち悪いくらいの笑顔を浮かべた黒兎さんが佇んでいた。