奇蹟のはじまり
『何やってんだよ。部隊

長が待ってるぞ。ん?』

俺を呼びにきたそいつも

目の前の男の子に気付き

ました。

「部隊長に言った方がい

いんだろうか」

『馬鹿!そんなことした

ら…』

そいつは何か言いかけて

口をつぐみました。

男の子は僕たちのやり取

りを警戒心と怯えの混じ

った目で見ていました。

『何か見つけたのか?』

その時、僕たちの帰りが

遅いのを不審に思った部

隊長がやってきました。

『いえ、何もありません

!』

そいつは体の影に隠すよ

うに部隊長から男の子が

見えないように敬礼をし

ました。
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