奇蹟のはじまり
告白
翔ちゃんSide


『ごめんね、長い話で疲

れたよね?』

「ううん、大丈夫」

松本くんの気遣わし気な

目に笑顔で首を振ったつ

もりだったけど、きっと

弱々しい笑顔になってい

ると思いました。

案の定、松本くんはなお

も心配そうに僕の表情を

伺っています。

俺たちはおばあちゃんの

家から帰るところです。

松本くんの話す内容は今

まで全く知らない世界の

話でした。

正直、衝撃が強すぎて頭

の中はまだ混乱していま

す。

雅紀さんの話を終えた頃

には外は暗闇が包み込ん

でいました。

雅紀さんの死は話の序盤

でこれからまだ話さなく

てはいけないことがある

みたいでした。
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