偽りの仲、過去への決別
「本当なのかよ。でもなあ…。俺今同じクラスの結衣が好きだし。」 ヒロの嘘話しを信じて、松山は上機嫌になっていた。「じゃあ~又明日からお前のクラスに遊び行こうかなぁ。」 ヒロは焦った。松山に来られたら、嘘がばれてしまう。 「いや、俺が松山のクラスに行くよ。」「どうしてだよ。」「だって恭子が恥ずかしがるだろう。又、松山に冷たい態度を取ると思うし。ここは俺が恭子の近況報告するから。」 ヒロは、嘘を作り上げたことに躊躇いはなかった。嘘も信じれば本当になると信じていた。 松山はうれしかった。自分が結構もてていることに満足していた。 ヒロもうれしかった。あの悪魔を追い払うことができ、松山と仲良くなれたことが。 カズは、何回も後ろを振り返っていた。松山が追いかけてくるのを待っていた。 しかし、松山がヒロにいいように説得されていることなど知るよしがなかった。 カズは不安になっていた。又一人ぼっちになることに。 松山にヒロは言った。 「ねえ~あいつ追いかけないで大丈夫なの。」 松山は、カズのことを思い出した。 「いいよ、あんな奴。もう本当に…。」 松山は、悲しんでいた。 ヒロは、カズのことをそんなに知っている訳ではなかった。 駄菓子屋で一回だけ会っただけであった。 そして噂を耳にしていただけだ。 カズのことは、変わった転校生で、クラス中笑われても、平気で、つかみどころがない奴だと聞いていた。しかし、駄菓子屋の件と松山のことに関してヒロはカズが無視できない存在だと思った。 今度はカズをいかにして、痛めつけるかヒロは模索していた。 松山とカズの仲が悪くなってから、ヒロはいつも松山のクラスに居ついていた。 カズは隣りの席の結衣と話していた。松山は、カズと結衣のことが、気になるとみえて、いつも2人の会話を聞く為に、近くに行こうとした。
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