偽りの仲、過去への決別
松山は、結衣のことが好きだ。しかしそれ以上に、カズのことが気になってしょうがなかった。 ヒロは悔しかった。どこにこんな悪魔が魅力があるのかわからなかった。 隣りの席の結衣も、カズのことが好きみたいだ。ヒロにとって納得のいくことではなかった。 人は好かれようと思って好かれるわけではない。相手がどう思っているかも、わからないことが多い。 しかしだからこそ、相手のことを思い、興味を持ってしまう。 未知の部分が、魅力に感じてしまう。知らないこそ、一歩でも近付こうと思って、嘘やはったりを使うこともある。 とにかく相手と話しをしないことには、自分に対しての真意は、わからないだろう。 話してみて初めてわかることもあるだろう。 相手の目の動き、緊張によって手が小刻みに動いたり。話すことによって相手の精神状態を見ることができる。想像では、真実を知り得ないが、話すことによって相手の気持ちや考え方、そして自分自身が、現実に沿った考え方ができるはずだ。 話すという重要性 が備われば、どんな時でも、人とのつながりを大切にして生きていけるだろう。 ヒロは、松山のクラスに入り浸っていた。 松山は、表向きは、カズに対して怒りの表情を浮かべていたが、内心困り果てていた。 ヒロは、松山のそんな内情をきちんと把握していた。 だからこそ、松山のクラスに入り浸っていた。 松山は、素直になって謝りたかった。カズも同様だった。 大事なことは何かほとんどの人間は、わからずにいる。 いつの間にか知らずに世間の荒波にもみくちゃにされ、自分を見失ってしまう。 そしてほとんどの人が、自分の立っている場所さえわからなくなってしまう。 自分の心をどこかに置き忘れてしまう。すぐには気がつかず、どことなく心の奥底に寂しさを感じる。それが積もると自分自身の人生に疑問を持ち、何に対してもマイナス思考が働いてしまう。