偽りの仲、過去への決別
始めは、興味のそそる話しではなかったが、いつの間にか2人は洋二の立場に悲しみの表情を浮かべていた。 カズはいくらお金や親子関係があっても、中身のないことがいかに虚しいかを理解していた。だから洋二の話しに耳を傾けたのであった。 結衣にとって洋二はすべてにおいて満たされていると思っていた。しかし話しの内容を聞くとまったく現実は違っていた。クラスメイトの対応の在り方、自分がいかに望んでいないのに知らぬうちに決めつけられていること、誤解が誤解を呼び結衣に迷惑をかけたこと、色々と洋二には悩んで話せなかったことを2人の前で話した。 洋二はなぜかカズにはすべてを話せた。 洋二もカズが心を許せる人間だと判断をしていた。 カズと話しをしていると胸のつかえが早急に消えていった。 洋二はカズに心を許していた。なぜなんだろうカズにこんなに何でもはなせるなんて。 クラスメイト達は、遠巻きにしながらも洋二の様子を伺っていた。 クラスメイト達は、洋二がカズと親しくなることより、自分達の批判的な発言に神経を尖らせていた。 洋二が気にいらないことをカズに話し、自分達の企みが一つ一つ暴かれていくことに不安を感じていた。 しかしカズと結衣はクラスメイト達の洋二に対する遠慮と祭り上げるしかなかった気持ちを理解していた。 洋二もわかっていた。自分に対するクラスメイト達の気持ちが。だから事を大げさにすることはなかった。 あの担任教師も洋二がカズと仲良くなることが気になってしょうがなかった。 散々松山先生や周りの人にカズのことで叱られた担任教師は、カズに何も言えずにいた。 自分に負い目があるとは思っていなかった。 しかしカズが松山と仲良くなったばかりに松山先生に色々と叱られたと思っていた。 今度は、学校に多大な影響を持つ洋二と仲良くなるなんて、次はどんなクレームがつけられるのかと悪夢を見ている気分だった。