偽りの仲、過去への決別
カズはいつものように社宅に登る坂を駆け上がると、見知らぬ中学生がいた。 その中学生は、学生帽を深くかぶり、口元から笑みがこぼれていた。 カズは立ち止まった。 「こいつは金をとるだけでは済ませれないなあ…‥。」 「弟の願いをきかないといけないし。」 するとすぐにカズの側によると2人がかりで殴ってきた。 カズは逃げようとしたが、服をつかまれ引き倒された。 カズは容赦なくヒロの兄貴達から殴られ、蹴られた。 ヒロはその様子を少し離れた場所から見ていた。 あまりにも一方的に殴られるカズを見て愉快でしょうがなかった。 兄貴達はいよいよカズのカバンに手をかけた。しかしカズは顔から血まみれになりながらもカバンを離さなかった。 兄貴達はカズの手を踏みつけた。 「ギャアアア…」 カズはありったけの大声を出した。 「この野郎、でかい声だしやがって。」 兄貴達は、カズのカバンを取り上げようと必死だった。 カズはカバンを胸に抱きかかえ、2人の攻撃を耐え忍んでいた。 カズの顔は真っ赤に腫れ上がっていた。さすがに2人は打ちつかれていた。「兄貴これ以上殴るとこいつ死んじゃうよ。」「うるせー、まだ金とってないだろうが。」 兄弟同士で意見の対立が起こった。 カズはその隙を見逃さなかった。 カバンからカッターナイフを取り出すと2人に向かって突き出した。 ナイフは勢い良く1人の手のひらを切り刻んだ。 「うわー痛えー。」「大丈夫かあ、兄貴。」 ヒロの兄貴達はパニックに陥ってしまった。 「てめえ、よくも兄貴を。」 カズはナイフを捨てた。 長男の手のひらから血が吹き出していた。 次男はどうしていいかわからなかった。 カズは近くに落ちていたバットの長さ程の木の幹を次男に向かって振り下ろした。 次男は足元から崩れ落ちていった。 カズは振り向きざまに長男にも振り下ろした。鈍い音ともに長男は血まみれな手を押さえながら倒れていった。 ヒロはあまりの展開に茫然としていた。 カズは血まみれになりながら、ヒロの兄貴達を交互に棒きれで殴り続けた。
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