偽りの仲、過去への決別
「この野郎、殺してやる。」 カズは我を失っていた。 ヒロの兄貴達は、カズと同じように血まみれになっていった。そして、カズには反抗できない程うちのめられていた。 長男はもう気を失っていた。 次男がカズに向かって、「もう止めてくれ。頼む止めてくれ。」 と命乞いをした。 しかしカズにはもうヒロの兄貴の意見を受け入れる感情が残っていなかった。 次男めがけて棒が振り下ろさた。 カズは次男がスローに倒れる姿が目に焼き付いていた。 カズは自分の手を見ると、2人のかえり血で赤く染まっていた。 カズはやっと我に返った。この場にいる自分が別の人間に見えた。 記憶がヒロの兄貴達に殴られる時まではあったが、こんな信じられない反撃を行ったことには全く記憶がなかった。 カズの近くにカッターナイフが落ちていた。カズはそのカッターナイフを拾った。 そのカッターナイフは、今日偶然図工の時間の為、学校に持って来ただけであった。 ヒロは兄貴達がカズに打ちのめされた風景に震えが止まらなかった。 ヒロの計画が失敗に終わり、苦境にたたされていた。 カズはまだ倒れて苦しんでいる兄貴達の側で棒を持っていた。 ヒロにはまだカズが兄貴達に攻撃を加える姿があった。 ヒロはとにかくカズを止めないと、兄貴達が殺されると思った。 「やめろ…‥お前。」 ヒロはカズに向かって突進した。 カズはヒロの姿を捉えていた。 カズは一瞬ヒロがカズを助けに来てくれたと勘違いをした。 しかしその期待はすぐに虚しい現実の前で崩壊した。 「よくも兄貴達を……。」 しかしヒロの出現でその恐怖感が消え失せた。なぜなら明らかにヒロはカズに怒りをぶつけてきたからだ。
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