偽りの仲、過去への決別
ヒロは脇の竹林の茂みに体を隠した。 ヒロの頭から血が出ていた。脇腹はカズに蹴られてかなり痛かった。 ヒロは茂みの中を歩伏前進しながらその場を去った。 兄貴達は大丈夫なのか心配であった。ヒロは泣いていた。自分が兄貴達を煽ったことがこんな結果になってしまった。 ヒロの頭の傷はすぐに血も止まり浅かった。脇腹はまだ痛みがあった。 ヒロは家に帰る途中公園で体をきれいに洗った。 ヒロはこれからのことを思うと、恐怖で顔が歪んでいた。 ヒロはカズに姿を見られている。カズはきっとリベンジしてくるに違いない。 そうなったら全てにおいての悪巧みが表に出てしまう。 ヒロは今まで兄貴達の要請で獲物を探していた。 力の弱そうな奴、気が弱そうな奴。そこには冷徹なまでの理論が働いていた。 ヒロのリサーチのおかげで兄貴達は簡単にかつあげができた。 それだけヒロの人を見る目は確かだった。 しかし今回は、感情を優先したところに綻びが生じた。兄貴達はいつものように楽勝気分で緊張感がなくなっていた。 まさか今までになかった反撃をくらい想定外の出来事が起こるなんてヒロも兄貴達は思いもよらなかった。 ヒロのカズ憎しみの為に行われたかつあげは、最初の段階から失敗であった。 誰が見ても弱そうに見えないカズを選んだこと事態失敗であった。 ヒロの焦りがヒロの理性を奪い取り、間違った感情論を増幅させてしまった。 カズは深い眠りについてしまった。 身も心もクタクタでこのままずうと眠りにつくかのようであった。 このままカズは眠っていようと思った。起きなくていいならそれでもよかった。どうせ起きても良いことなんかないと思っていた。 すると病院の医者や看護婦の声が聞こえてきた。 カズに話しかけてきた。しかしカズは目を覚ませるほど、体のコントロールがもう利かなくなっていた。 体をゆする感覚はわかっていたがどうすることもできなかった。 もうこのままゆっくり何もかも忘れて休みたいとカズは願っていた。