偽りの仲、過去への決別
それでもヒロは平気な素振りをしていた。いつものように恭子に話しかけたりしていた。 恭子は、ヒロに話しかけられることに嫌悪感を表していた。恭子はヒロを避けるようになっていた。ヒロは何度も洋二の話しをしたが、無視されてしまった。 ヒロは松山のクラスに行くと、ヒロに対して、みんなの視線が突き刺さった。 ヒロはそれでも松山に話しかけた。 松山はヒロと目を合わせることをしなかった。 「一つ質問があるんだけど。」 松山は言った。 ヒロは松山の質問など想定内のことであった。「どんなこと。」 ヒロは冷静であった。心の動揺を絶対に見せようとはしなかった。 「お前の兄貴達がカズを待ち伏せして襲ったことは本当なのか。」 松山はヒロに確認をしたかった。カズに対してわだかまりがあったが、もうどうでもよかった。今はただ謝りたい気持ちで一杯であった。 カズの容体がよくないことは担任教師と父親である松山先生に聞いていた。 だから病院に行きたくても、面会謝絶で会うことも許されなかった。 結衣はこの事件を聞いて大変なショックを受けていた。なぜこんな事になってしまうのか、そして何もカズの力になってあげられないことに戸惑いと力のなさを痛感していた。 結衣は心が空っぽになっていた。カズがいなくなってカズの存在感が新ためて認識していた。 結衣の元気のなさを心配して洋二が話しかけてきた。 洋二もカズがいなくなってショックを受けていた。やっと仲良くなれたのに、カズに会えない学校に来てもつまらなかった。 洋二は、カズの病院での様子を独自に調べていた。 洋二は始めて自分の置かれている立場に感謝した。 洋二はほぼ病院でのカズの病状を知り得た。洋二の地元での力を最大限に使い情報を集めていた。 もちろん祖父の力を借りてだが。 だから結衣にすべての知り得る情報を伝えた。 松山の話し声が2人に聞こえてきた。 2人は固唾を飲んで聞いていた。 松山の質問にヒロはのらりくらりとかわしていた。何を言ってもカズがいかにヒロの兄貴達に多大な迷惑をかけたことを強調した。