偽りの仲、過去への決別
「どうせカズが目を覚ましたらすべてがわかるし、その時お前の本性がわかるぜ。」 洋二は吐き捨てた。 ヒロの顔色が変わっていった。 結衣も洋二の援護した。 「カズ君が言っていたんだけど、松山君とけんかしたこと後悔していたよ。でもヒロ君がいつも2人の後をついてきて、気味が悪いても言っていたよ。」 結衣はヒロのことは知っていた。いつも1人で何を考えているかわからず不気味な存在だった。 ヒロは結衣の言葉が胸に突き刺さった。カズが俺に批判的であったことが。 気配を消して近付いていた自分がカズには見られていた。 洋二の言うとおりにカズが目を覚ましたらヒロのすべての嘘がばれてしまう。 だからと言って松山の手前、すごすごと引き下がるつもりなどなかった。 カズさえいなければ、松山と楽しく遊べたのに。 洋二と結衣の迫力に押され、松山は自分がヒロとカズの関係をもう一回考え始めていた。 ヒロはカズに対して批判的であったのは事実であった。 松山もヒロに不信感を抱き始めていた。 洋二はヒロのことはあまり知らなかった。でも形は違うが、同じ除け者同士であった。 洋二も結衣もカズがけんかする人間には見えなかった。どちらかと言うと、他人とは争いを避けるタイプだからだ。 あれだけクラスで笑いものになろうと決して短気なところを見せず、冷静沈着なカズが簡単にけんかをするなんて考えられなかった。 多分松山もその件に対しては、2人と同じ考えであった。 ヒロは早急に自分の無実を証明しようと焦っていた。「偶然帰り道が一緒だっただけだよ。」 いちいちお前らみたいな奴の戯言に付き合ってられないよ。」「俺警察に知り合いのおじさんいるし、大体のことは把握してるんだ。」