偽りの仲、過去への決別
自分の感情に忠実に行動するか、それともやはり周りとの協調を重んじるか、どちらにも関係性を含んだ考えを導こうとしていた。
今まで自分の意見を持たず、何不自由なく生きてきた自分に腹立たしく感じていた。 しかし洋二は今の習慣を変えれるほどの感情を持ち合わせていなかった。いやカズのことで変わろうと思い始めている段階であった。 きっかけさえあれば洋二の迷いもなくなる段階であった。 カズの所に行きたい、しかし松山や結衣みたいな踏ん切りがつかず、なぜかわからない心のブレーキが発生してしまう。自分にも理由などわからずにいた。 洋二は松山や結衣が自分を誘ってくれることを願っていた。 しかし松山と結衣は洋二には見向きもしなかった。2人は病院での行動のパフォーマンスしか頭になかった。 洋二のことなど全然眼中にはなかった。 洋二はカズが目を覚ます前に一回でも病院に行かないといけない。 松山に主導権をとられ、遅れをとっているからだ。カズが今目を覚ますことがあったら、きっと洋二より松山に心が奪われてしまう。 洋二にとって松山の無茶な行動はカズに対して過去のけんかによる罪滅ぼしにしか見えなかった。
最初は松山が気にいらずそう思っていた。しかし松山の考えや意識はそんな段階に留まらず、洋二の先入観とは違って見えた。 計り知れない力を感じていた。ひょっとしたら松山の性格を甘く見ていたのかもしれない。単純でただ人が良い人間だと思った。
洋二に対しては単純な精神が災いし、均一な態度しか取れないと思っていた。 洋二にとって松山みたいな人間は簡単でしたたかさを持ち合わせていない人間は簡単だと思った。
クラスメイトみたいな何を考えいるかわからない人間が、本当は単純で、一貫性があったことを洋二は学んでいた。 洋二は自分の間違った先入観を悔いていた。洋二の考えの根本にあったのは、松山に警戒心を持ち、自分に主導権がないことが一番の原因かもしれなかった。
他にも色々と縛られていたが、結局は洋二の考え方次第で物事は変わるかもしれなかった。 不意をついて松山と結衣が洋二に話しかけてきた。 洋二の意識は今後 カズにどんな形で接して行こうか、そればかりを考えていた。
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