偽りの仲、過去への決別
カズはヒロ達のことを何も知らない久保田に苛立ちを感じていた。 「あいつらは、俺にこんなことをして、平然と暮らしているなんて。」 「それはどういう意味。」「俺を入院させた連中が今どうなっているのかを尋ねているだけなのに、くそあいつら……。」 久保田は興奮しているカズをなだめようとした。しかしカズはまだあの事件が生々しい繊細に記憶が残っていた。 あの事件の興奮が冷めてはいなかった。 久保田は慌てて病室を出るとナースステーションに走った。
「すいません。カズ君が興奮して…。」 久保田は額から汗が滲み出て化粧が剥げがかっていた。「久保田さん落ち着きなさい。まったくあなたは。私が対応します。」 婦長はカズの病室に向かっていた。久保田も後を追った。
「久保田さんしっかりしなさい。あなた看護婦でしょう。」「すいません。私何を話していいか……。」 2人はカズの病室に入った。するとカズはもう健やかに眠っていた。 「寝ているじゃないの久保田さん。」
「すいません。さっきまで起きていたのに。」 久保田はカズや松山達に振り回される自分に嫌気が差した。しかも大体は松山の件は婦長に責任があるのになぜ自分も巻き込まれか、自分自身を呪った。「そうだわ?。今日は松山のガキ、病院に来なかったわねー。」 婦長は機嫌がよくなった。「はい…‥。」 久保田は嘘をついた。 松山達3人は朝から担任教師にいつ呼び出されるか心の準備をしていた。 昨日久保田に見られたからだ。 松山は呼び出しに慣れているから平然としていた。
洋二と結衣は内心穏やかではなかった。怒られることに免疫がなかった。 結局怒られることはなかった。担任教師はカズの件には、全く触れず淡々と授業が進んでいった。 担任教師はカズが目を覚ましたことは知らなかった。
カズの祖父が担任教師に不信感を抱いていたので連絡は後回しになっていた。 松山達3人は、今日は堂々と見舞いに行けることを喜んでいた。 ただ気掛かりなこともあった。昨日久保田に見られた事だ。
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