偽りの仲、過去への決別
でも担任教師からの呼び出しがなかったことを考えると、カズがきっと何かしらの力を貸してくらたのかも知れないと松山達は思っていた。 松山達の話しをクラスメートたちは聞いていた。ほとんどのクラスメートたちはカズが目を覚ましたことに驚いていた。 知らないのは担任教師だけであった。 ヒロが松山達の話しを廊下で聞いていた。ヒロは勇気を出して松山達に話しかけた。 クラスメートたちの視線がヒロを突き刺した。しかしヒロは動じることなく、「カズが目を覚ましたんだ。」 と尋ねた。
松山はヒロを見たが、洋二と結衣はヒロをみようとはしなかった。 ヒロは実は凄くショックを受けていた。カズが目を覚ましたことと同じぐらい、なぜ松山がここまでカズのことで頑張れるのか。松山の頑張りが洋二や結衣達まで引き込んでしまった。
自分がカズの立場だったらこんなに頑張ってくれる人間が果たしているのか。「カズが目を覚ましたのなら、俺も見舞いに行こうかなあ。」 ヒロはカズの様子をとにかく知りたかった。いやどんなリスクを犯してもカズの様子を見たかった。
ヒロの兄貴達はもう病院を退院していた。普通に中学校に通っていた。しかし完全にかつあげの容疑が晴れたわけではなかった。 カズの件ではカズが目を覚まさないからまだ立件ができなかっただけであった。ヒロの兄貴達は非常に肩身の狭い思いをしていた。
周りの人々は悪意の目でヒロの兄貴達を見ていた。 ヒロにも学校中に広まった兄貴達が犯した悪行でみんなから冷たい視線をいつも感じていた。 それでもヒロは別に気にしなかった。元々自分の差し金で兄貴達に情報を流した。
それに情報を流していたことをまだ学校中に知られた訳ではなかった。「冗談だろう。」 洋二はヒロの意図がわからずにいた。「冗談じゃないよ。本気だよ。」 ヒロは洋二に言った。 洋二はヒロがとにかく薄気味悪くてしょうがなかった。
洋二の常識では計り知れない考えの持ち主にしか見えなかった。 「止めといたほうがいいよ。まだカズもそんなに元気ではないから。」 松山ははっきりと言った。そうでもしないとヒロは簡単に引き下がるとは思えなかった。
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