雪情
【外からの威圧感ー3】


「やはり
暖房機は必要ですね、
この方法で
早く目を覚ましてくれれば
いいのですが…」




と大久保が見ると、
明らかに先程より
血色が良くなっている。




白井の巻いた
ラップの効果が
あったのだろうか?

みるみるうちに
肌が色を戻し、

数分経つと、
いつ目を覚ましても
おかしくない状態にまで
回復したようである。




「あとは
無理やりでも
起こせば、
目を覚ますだろう。

どうする?刑事さんよ」




「いや、
寝かせといてあげよう。

もうすぐ
自然に起きるんだろう?」




と田崎が白井に言った
途端に、

小川が
小さな唸りを上げた。




「う……う…」




もうすぐ
起きそうな勢いである。




「お、
無理やりでもなくても、
もう起きそうだ」




そう白井が言うが、


「…………スースー」




また小川は
眠りについてしまった。




しかし、
まあここまで良くなれば

もう一安心であろう。




このまま
意識がなかったら
どうしようかと
田崎は悩んでいたので、

ホッと息をついた。




「…さて、どうする?」




「どうするって、

今起こさなければ
ならないという意味は
特にないだろう?

だから
もちろん待つことに
するよ」




田崎はそう言うが、
白井は
さっさと起こしたかった




「ここまで回復したら、
もう起こしちまえば
いいのに」




「まあまあ白井よ。

今はまだ
吹雪いているし、
少しでも小川さんを
休ませてあげよう。

起きたら
何があったか
聞いてみるから
安心したまえ」




そう言い、
田崎達は
小川が起きるのを、
待つ事にした。






10分……

20分……

30分……と過ぎた頃、

再び小川に
変化がみられた
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