比丘尼の残夢【完】
お世話しました。


口上のように淀みなく、膝をついたお化けは言葉をつづけた。

この人こんな話し方出来たのか。別人のようだ。

今なら『恰好良いだろう?』と聞かれたらハイと言ってあげても良い。


「は、はぁ... 」

「長く病気療養しておりましたが、おかげさまで全快致しました。
本日はお兄様に、ナナミさんとの結婚のお許しを頂きたく参りました」

「こんなんでよかったらどうぞ... 飯食いすぎて困ってたので」

「えーっ!?」

さっきまで遠慮せずに食べろと言っていたではないか。


いや、そっちではない!

結婚! 結婚!

ご主人様と私が... !?


パクパクと口を動かしていると、口についていたらしい米粒を取られた。


「驚いた?」

私が驚くと、この人はやけに嬉しそうだ... 。


「というか、ご主人様別に私としなくても」
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