Painful Love※修正完了※

「どうしたの」

「下まで……送る」


隣に並べば、拓斗が笑ったのが、エレベーターのガラス扉で分かった。


特にどちらからとも話し掛けず。


来たエレベーターに乗り込む。






「あの、さ」


「ん?」


下がっていく階表示を見ていた時。

ふいに拓斗が話だし、わたしは拓斗を見上げる。


「卒業した時の事……考えといて?」

卒業した後。


就職の、こと。


「だから、それは」


「時雨がもし帰って来なくても、佐奈子と結婚はしないから」


……佐奈子さん。






どうして?

婚約したんでしょう?


「また、来るから」


「……うん」



< 201 / 241 >

この作品をシェア

pagetop