アクアマリンの秘密
「紫紀…?」


牢の鍵を開けて、中へと入ってくる。
そしてオレの右腕を強く掴んでオレの体を起こす。


「お前の国だろう、ここは。
それさえも否定する気か?」

「…そんなつもりは微塵もないよ。」

「そうは見えない。」

「手厳しいな…紫紀。」

「お前は…逃げているだけだ。
そしてその逃げを正当化しようとしている。
…燈龍がどうしてお前に『生きろ』と言ったと思う?」

「…そんなの分かるわけないだろ?
燈龍は死んだんだ。」

「…お前なら救えるからだ。
燈龍は優れた魔力を持っていたが…ヒールは使えなかった。どんなに魔導書を読もうとも…。
そしてお前はその逆に…高度な攻撃魔法を覚えることは出来なかった。」

「…そうだね。」

「だから…燈龍はお前に託したんだ。
この国の未来を…お前に…。」

「…オレじゃ守れないよ。
だって攻撃が出来なくちゃ、敵は倒せない。」

「お前には…今武器がある。」

「そっ…そうですよ!!
蒼刃が作ってくれた…。」



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