アクアマリンの秘密
「これで…邪魔者は完全に消えた。
覚悟は良いか?朝霧紫紀よ。
もう逃げ場も、助けてくれる仲間もいないと思え。
お前の敵は私。私の敵はお前だ。」



華央と同じ顔。なのに表情は華央とは思えないほどに険しくて。
華央と同じ声で発せられる言葉。なのに、華央のものとは思えないほどに残酷だ。

もう…覚悟を決めるしかない。
一縷(いちる)の望みも捨てなくてはならない。

…彼女が華央であるわけがない。
散々頭の中で言い聞かせているのに、『でももしかしたら…』と可能性を捨てきれない、哀れな自分と決別しなくては。

目の前にいるのは『華央』ではなく『フェイ』
どんなに願っても、どんなに愛していても…
死んだ人間は戻らないのだと、もう一度、自分にその事実を突きつけなければ…。

…進めない。倒せない。

彼女が華央であろうと、そうでなかろうと…

終わりにするならこの手で。
それが一つの決着だから。





「…その通りだ。
だからこの手で…全て終わらせる。」

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