地味子の秘密 其の四 VSかごめかごめ
生徒会室内にある会議用のテーブルに腰掛ける会長。

端正な顔立ちの中に、明らかな悲哀の色が伺える。



「そうか……ちゃんと、アイツと話したのか?」

「はい」

ゆっくりと会長の傍に行った。


「会長……」

「ん?」

「……ごめんなさい。こんな風にしか、返せなくて」


涙腺が緩みそうになる。

泣いちゃダメだ……。

傷つけてるのは、あたしだもん。



「……会長の気持ちには、応えられません」


泣きたいのを我慢して、ゆっくり静かに告げた。




返って来た言葉は………。



「……アイツが隣にいて、笑っていられるか?」



笑みを浮かべた……優しい問い掛けだった。
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