鏡村【短編】
諦めかけていた私の前方にあった一つの鏡が目にとまった。


見覚えがある。


車からみた景色と今の景色とが重なる。


気になってしょうがなかったあの鏡。


助手席から目にとまった鏡があった。


きっとあれだ。


突如脳内に男の子の声が聞こえた。


残り一分と。


その声は怒りに震えているかのようだった。


間に合うだろうか。


あの鏡が出口という確証も無いのに。


カウントダウンは続いている。


この眼で確認する以外ない。


鏡はもう目の前だ。


お願い。


本当の私であって。


玲は鏡の中の自分を見つめた。



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