Holy×Kiss~闇の皇子より愛を込めて~【吸血鬼伝説】
「化け物が大量発生したのは、自分の責任だから、始末をつけに行って来るってさ」

「一人で?
 あんなものすごい事になっているのに、一人で、何が出来るのよ!
……行かなくちゃ」

 凛花は、キッ、と頭を上げた。

「私も行って、何かしなくちゃ!」

 ……かかったな。

 お前が一人、行ったって、何が出来るわけでもないだろうに。

 僕は、ひどく冷静に、凛花を見つめた。

 黒い感情が、胸の傷を埋めて、こっそりとほくそ笑む。

 僕もまた、心のもたらす罠に落ちいっていた。

 それが「嫉妬」と言う、極めて人間くさい負の感情だとは気がつかないままに。

 凛花は、月光の射すベッドルームと、控え室の間をぐるぐると歩き回った。

 顔色が、焦りに青ざめている。

「本当に、もう!
 いつも、いつも!
 この部屋の出入り口って、ドコよ!」

 凛花には、目の前の出口が、見えてないのだ。

 だって、その扉は。

「だから『輪』なんて、嫌いよ!」
 
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