Holy×Kiss~闇の皇子より愛を込めて~【吸血鬼伝説】
「……僕が、護りは要らない、と言ったのは覚えているか?
 僕は絶対、黙ってどこかへ行ってしまわないから。
 お前は凛花と自分の家で暮らせばいい」

 僕の言葉に、残月は、すっと、無表情の仮面をかぶる。

 護りを……自分の本来の仕事を僕に断られて、怒ったのか。

 残月は、冷たく硬い声を出した。

「その『私の家』なんですが……」

 言って……彼は……

 口元で微笑んだ。

「……エンキに占領されて、帰れません。
 皇子の所に居候させていただかないと、新しい家が見つかるまで路頭に迷うか、奴の毒に侵されて、私は、遠からず死ぬでしょう」

 残月は憮然とした声を出してはいたが、言葉の端々が笑っていた。


「………え…」



 僕は、残月の言葉に驚いた。

 それって……それは。
 
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