『クルマとタバコとカンコーヒーと…』【リアル物語ケータイ小説版】
第9話
新幹線の自由席。
備え付けの小さなテーブルにはカンコーヒーと乗車券。
携帯のアラームをセットして眠りにつくダークスーツの昭太郎。
企画コンサルティングの仕事で群馬の大学病院に医療システムの提案をしに出張中。
医者と看護師に埋め尽くされた会議室。
その中、ダークスーツの男がプロジェクターを操作しながら熱弁をふるっていた。
「・・・という導入計画が理想であり、今後の大学病院のあり方であると思われます。何かご質問のある方はどうぞ」
室内の蛍光灯が点灯されると、昭太郎の顔をじっと見ながら教授が言った。
「大変よくわかったが、君、調子悪いんじゃないのかね、顔色悪いけど」
教授の目は確かだった。
青白い顔をした昭太郎は少し前から吐き気に襲われていたのだ。
「いえ、大丈夫です。少しお待ち下さい・・・少し席を外させてもらいます」
無理矢理気合いを入れて表情をつくった昭太郎だったが、ドアを閉めた瞬間、トイレに駆け込んで吐き始めた。
(俺、何やってんだろ、プレゼンしに来てるのに診察されそうじゃねぇーか・・)
トイレの時間が長かったのと、顔色が戻らなかったので、言い訳もできず、結局会議室から診察室に移されて点滴を受けていた・・・。
布団をかぶって携帯を取り出す昭太郎。
「あぁ、もしもし、部長ですか?今、病院は病院なんですけど、はい、実は・・・・僕が点滴受けてるんですよ・・・」
(まいったなぁ・・・こんなのギャクじゃねーか・・・まぁ、話のネタにはなるけどな・・・)
やはり昭太郎の体調は徐々におかしくなり始めていた。
よく吐き気になるようになっていたし、食欲も落ちていた。
少しずつ足の痛みは増していて、寝不足になるようになっていた。
そんな昭太郎は会社の昼休みに鍼灸院に通い始めた。
【あの頃の僕は無理がしたかった・・・無茶をしている自分が大好きで、疲れない自分が好きだった。タフであることが自分のアイデンティティだったのだ。仕事も遊びもやればデキル、限界など僕にはなかったのだ・・・。】
★
新幹線の自由席。
備え付けの小さなテーブルにはカンコーヒーと乗車券。
携帯のアラームをセットして眠りにつくダークスーツの昭太郎。
企画コンサルティングの仕事で群馬の大学病院に医療システムの提案をしに出張中。
医者と看護師に埋め尽くされた会議室。
その中、ダークスーツの男がプロジェクターを操作しながら熱弁をふるっていた。
「・・・という導入計画が理想であり、今後の大学病院のあり方であると思われます。何かご質問のある方はどうぞ」
室内の蛍光灯が点灯されると、昭太郎の顔をじっと見ながら教授が言った。
「大変よくわかったが、君、調子悪いんじゃないのかね、顔色悪いけど」
教授の目は確かだった。
青白い顔をした昭太郎は少し前から吐き気に襲われていたのだ。
「いえ、大丈夫です。少しお待ち下さい・・・少し席を外させてもらいます」
無理矢理気合いを入れて表情をつくった昭太郎だったが、ドアを閉めた瞬間、トイレに駆け込んで吐き始めた。
(俺、何やってんだろ、プレゼンしに来てるのに診察されそうじゃねぇーか・・)
トイレの時間が長かったのと、顔色が戻らなかったので、言い訳もできず、結局会議室から診察室に移されて点滴を受けていた・・・。
布団をかぶって携帯を取り出す昭太郎。
「あぁ、もしもし、部長ですか?今、病院は病院なんですけど、はい、実は・・・・僕が点滴受けてるんですよ・・・」
(まいったなぁ・・・こんなのギャクじゃねーか・・・まぁ、話のネタにはなるけどな・・・)
やはり昭太郎の体調は徐々におかしくなり始めていた。
よく吐き気になるようになっていたし、食欲も落ちていた。
少しずつ足の痛みは増していて、寝不足になるようになっていた。
そんな昭太郎は会社の昼休みに鍼灸院に通い始めた。
【あの頃の僕は無理がしたかった・・・無茶をしている自分が大好きで、疲れない自分が好きだった。タフであることが自分のアイデンティティだったのだ。仕事も遊びもやればデキル、限界など僕にはなかったのだ・・・。】
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