『クルマとタバコとカンコーヒーと…』【リアル物語ケータイ小説版】
第19話
ほんの10日間の入院だったが、シャツに袖を通した昭太郎には外の世界が今までの景色より2割増しの素敵な世界に見えた。
何も知らずすれ違う人を横目に病院を焼き付けるように見つめ、目を細める。少しカッコつけながら陽の射すその建物に別れを告げる。
ジンクスのような、本当にそうなることを願って永遠の別れのような大げさの自己流儀式をしていた。
大量の薬袋を片手に持ちながら・・・。
変な名前の病気ではあったが、病名がわかった安堵を感じながら、これを飲んだら治るんだと信じて薬を几帳面に毎日飲み続けていた。
毎日何をするわけでなく、近所のコンビニや本屋をうろついて1週間が過ぎた。
何もない昔の自分の部屋でテレビを6時間見続けていた。
CMを眺めながら
「もう限界だろ?そろそろいいんじゃないか?」
自分に疑問を投げつけた昭太郎は洋服をカバンに詰め込んでいた。
「小さくまとまってられるか!」
そう呟くのは昭太郎の口癖だった。無茶好きの昭太郎はこの言葉と共に生きてきたと言っても過言ではない。
この言葉は無理をするには非常に都合のいい言葉だった。
戦略的な目つきでカンコーヒーを開け、この休みをどう使ってやろうかと、ひとりワクワクしていた。
その夜、昭太郎は東京に戻った。
★
ほんの10日間の入院だったが、シャツに袖を通した昭太郎には外の世界が今までの景色より2割増しの素敵な世界に見えた。
何も知らずすれ違う人を横目に病院を焼き付けるように見つめ、目を細める。少しカッコつけながら陽の射すその建物に別れを告げる。
ジンクスのような、本当にそうなることを願って永遠の別れのような大げさの自己流儀式をしていた。
大量の薬袋を片手に持ちながら・・・。
変な名前の病気ではあったが、病名がわかった安堵を感じながら、これを飲んだら治るんだと信じて薬を几帳面に毎日飲み続けていた。
毎日何をするわけでなく、近所のコンビニや本屋をうろついて1週間が過ぎた。
何もない昔の自分の部屋でテレビを6時間見続けていた。
CMを眺めながら
「もう限界だろ?そろそろいいんじゃないか?」
自分に疑問を投げつけた昭太郎は洋服をカバンに詰め込んでいた。
「小さくまとまってられるか!」
そう呟くのは昭太郎の口癖だった。無茶好きの昭太郎はこの言葉と共に生きてきたと言っても過言ではない。
この言葉は無理をするには非常に都合のいい言葉だった。
戦略的な目つきでカンコーヒーを開け、この休みをどう使ってやろうかと、ひとりワクワクしていた。
その夜、昭太郎は東京に戻った。
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