『クルマとタバコとカンコーヒーと…』【リアル物語ケータイ小説版】

第２４話

緑の匂いを感じながら、心地よく照らされる初夏の陽射しを受けていた。

昭太郎は野原でサッカーをする少年達を眺めながら、タバコををくわえていた。

　４件目の病院でも検査結果に異常は見られなかった。

だが体調の異変は何も変わらない。

足の痛みが激しいときは顔をしかめるほどになっていた。

「精神的なモノですね。」

「安定剤を出しますか？」

「日常生活で何かストレスを感じていることはありますか？」

「一度、心療内科で診てもらってはどうですか？」

　何処の病院でも同じようなことを言われた。（俺は悩んでない。ストレスとかそういうのじゃないんだ！）と心で呟きながら元気に走り回る少年達を眺めてた。

　転がりくるサッカーボールを蹴り返すが、ミスキックしたボールはゴロゴロと転がっていった。
（なんだ？足に力がはいらねぇ・・・）と思った昭太郎は急にダッシュし始めたが、足が絡まって情けなく転倒した。

　寝転がり、空を見上げる。何事もないように白い雲が泳いでいる。

「やっぱ、おかしいじゃねぇーか・・・、精神的で足が動かなくなるのかよ！・・・」

　苛立つ気持ちを抑えきれず、右手を思い切り地面に叩きつけた。



【あの頃の僕は不安だった。
これからくる未来がどんなものなのか想像ができなくて怖かった。
思うように動かない弱る身体にどう対処していいのかわからなかった。】

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