『クルマとタバコとカンコーヒーと…』【リアル物語ケータイ小説版】
第29話
笑い声が響く夜の喫煙室。
「最近、吐き気はどうなんだ?」と勇介。
「なったり、ならなかったり」
「原因はわからないのか?」
「あぁ、別にメシを食い過ぎたからなる訳じゃないし、寝不足なときになる訳じゃないし、何でそうなるのかわからねぇ、いつも突然吐き気がくるんだ」
「そうか、検査で何か分かるといいな」
「うん、俺もそれを期待してる・・・。言っとくけど、俺、精神病じゃねぇぞ!」
「分かってるよ、昭太郎の強さは俺たちが一番良く知ってる」
「なんだそれ」少し微笑みながら悪態をつく昭太郎。
「だってそういうこと言うのがいいんだろ」
「あほか」
「アホだよ」胸を張る勇介。
「分かってる、勇介のアホさは俺が一番良く知ってる」
「これだよ・・・」
突然しゃがむ昭太郎。
つられてしゃがむ勇介。
「いつものが来た」
「じゃぁ、また来週来る」声を殺す勇介。
「おう!」殺した声で答える昭太郎。
ナースに連行されるのを確認して、このタイミングで非常口からこっそり帰る勇介。
この時の昭太郎にはナースや医者、入院患者が敵だった。身方は友人で病人に属する人々は敵だった・・・。
【あの頃の僕は病院に馴染むことを恐れていた。病院の生活リズムに合わせるともっと病気になる気がしていた。多分周りからは格好悪く見えていたのだろう。そして、若者の病院初心者は同じ事をやっているとも知らないで調子に乗っていた世間知らずだった・・・。】
★
笑い声が響く夜の喫煙室。
「最近、吐き気はどうなんだ?」と勇介。
「なったり、ならなかったり」
「原因はわからないのか?」
「あぁ、別にメシを食い過ぎたからなる訳じゃないし、寝不足なときになる訳じゃないし、何でそうなるのかわからねぇ、いつも突然吐き気がくるんだ」
「そうか、検査で何か分かるといいな」
「うん、俺もそれを期待してる・・・。言っとくけど、俺、精神病じゃねぇぞ!」
「分かってるよ、昭太郎の強さは俺たちが一番良く知ってる」
「なんだそれ」少し微笑みながら悪態をつく昭太郎。
「だってそういうこと言うのがいいんだろ」
「あほか」
「アホだよ」胸を張る勇介。
「分かってる、勇介のアホさは俺が一番良く知ってる」
「これだよ・・・」
突然しゃがむ昭太郎。
つられてしゃがむ勇介。
「いつものが来た」
「じゃぁ、また来週来る」声を殺す勇介。
「おう!」殺した声で答える昭太郎。
ナースに連行されるのを確認して、このタイミングで非常口からこっそり帰る勇介。
この時の昭太郎にはナースや医者、入院患者が敵だった。身方は友人で病人に属する人々は敵だった・・・。
【あの頃の僕は病院に馴染むことを恐れていた。病院の生活リズムに合わせるともっと病気になる気がしていた。多分周りからは格好悪く見えていたのだろう。そして、若者の病院初心者は同じ事をやっているとも知らないで調子に乗っていた世間知らずだった・・・。】
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