『クルマとタバコとカンコーヒーと…』【リアル物語ケータイ小説版】
第53話
「どうだったの?」
「・・・大丈夫だよ。ちょっと専門の病院に転院しなくちゃいけないみたいだけどな」
「専門の病院?」
由紀の表情を一瞥した昭太郎は自分の足を見つめた。
「まぁ、そんだけだ。・・・俺と由紀はまだ始まったばかりだろ、こんなことになっちゃたから考えたんだけど、俺が適当だったなぁって気付いたんだ」
「適当って、どういうことなの?」
「俺、お前と結婚とか考えてないし、イメージできないし・・・・」
「なによそれ!」
またキレかけた由紀はソファから立ち上がった。
「帰る」
「待てよ!」由紀の腕を掴む昭太郎。
「待たない」と捕まれた手を振りほどく。
「待てよ」
「だから何よ!」
由紀は苛立って叫んでいた。
「もう、逢いたくないんだ・・・」
悲しそうに見つめる昭太郎。
きびすを返し歩み始める由紀。
「今日の昭太郎おかしい!」歩き去りながらそう言って泪が止まらない由紀。
聞こえるか聞こえないかの声で昭太郎は言っていた。
「お前の泣き顔キツいんだ。もう見たくない。プレッシャーなんだよ・・・」
ポールに両手をついて目を閉じた・・・・・。
由紀の姿が見えなくなった。
昭太郎は独り呟いた。
「今どき、B級ドラマでもこんなシーンねぇーよなぁ・・・」
やっぱり言えなかった、言わなかった、よく分からない。昭太郎には別れの覚悟はできていた。
昭太郎は結果を言うことで彼女の自由を奪ってしまう気がしていた。
このとき昭太郎は諦めていたのかもしれない。
移植をするということでさえ現実離れしたことなのに、その移植という手段でも現状維持であることを聞かされて、由紀との未来、そして自分の未来に光を感じることができなかった。
一生走ることのできない自分。
一生嘔吐を繰り返す自分を受け止めることはできなかったのだ。
多分、昭太郎は未来を諦め始めていたのだろう・・・。
★
「どうだったの?」
「・・・大丈夫だよ。ちょっと専門の病院に転院しなくちゃいけないみたいだけどな」
「専門の病院?」
由紀の表情を一瞥した昭太郎は自分の足を見つめた。
「まぁ、そんだけだ。・・・俺と由紀はまだ始まったばかりだろ、こんなことになっちゃたから考えたんだけど、俺が適当だったなぁって気付いたんだ」
「適当って、どういうことなの?」
「俺、お前と結婚とか考えてないし、イメージできないし・・・・」
「なによそれ!」
またキレかけた由紀はソファから立ち上がった。
「帰る」
「待てよ!」由紀の腕を掴む昭太郎。
「待たない」と捕まれた手を振りほどく。
「待てよ」
「だから何よ!」
由紀は苛立って叫んでいた。
「もう、逢いたくないんだ・・・」
悲しそうに見つめる昭太郎。
きびすを返し歩み始める由紀。
「今日の昭太郎おかしい!」歩き去りながらそう言って泪が止まらない由紀。
聞こえるか聞こえないかの声で昭太郎は言っていた。
「お前の泣き顔キツいんだ。もう見たくない。プレッシャーなんだよ・・・」
ポールに両手をついて目を閉じた・・・・・。
由紀の姿が見えなくなった。
昭太郎は独り呟いた。
「今どき、B級ドラマでもこんなシーンねぇーよなぁ・・・」
やっぱり言えなかった、言わなかった、よく分からない。昭太郎には別れの覚悟はできていた。
昭太郎は結果を言うことで彼女の自由を奪ってしまう気がしていた。
このとき昭太郎は諦めていたのかもしれない。
移植をするということでさえ現実離れしたことなのに、その移植という手段でも現状維持であることを聞かされて、由紀との未来、そして自分の未来に光を感じることができなかった。
一生走ることのできない自分。
一生嘔吐を繰り返す自分を受け止めることはできなかったのだ。
多分、昭太郎は未来を諦め始めていたのだろう・・・。
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