『クルマとタバコとカンコーヒーと…』【リアル物語ケータイ小説版】
第54話
転院は移植医療に通じた外科医がいるという静岡の国立病院に決定した。
3ヶ月いた昭太郎の病室には色々なモノが溜まっていた。
ラジカセ、本の山、多くの手紙、ノートパソコンに数多くのCD。
そこで生活してきた3ヶ月の結晶がそこにはあった。
段ボールに収納し始めていたそのとき、セーターの光隆とトレーナー姿の勇介が現れた。
「よく来てくれたね」
「他人行儀はよせよ」光隆が笑みを浮かべて言った。
「話は訊いた」勇介はいつもよりマジメな表情を浮かべていた。
「そうか・・・」
「俺も色々考えたけど、みんなには話したよ。そんで、今日はB型野郎を連れてきた」
と光隆が勇介の肩を叩いた。
デイルームに移動した3人は言葉少なめに話しはじめた。
「東京はどうだ?」
「みんなバラバラだよ、昭太郎がいねぇからな」と光隆。
「そうだよ、だから早く元気になって帰ってこいよ」勇介が頷く。
「・・・・」
少し静かになってしまったムードのなか光隆が切り出した。
「やるのか、移植」
「まだ決めてねぇ」
「勇介とも話してきたんだけど、昭太郎はB型だろ、俺たちO型とB型2人。ここに2つの適合肝臓がある。まぁ・・・そういうことだ」
「話し早えぇな」昭太郎が笑みを浮かべる。
「まっ、安心しろよ」
「うん、・・・安心した。ありがとう」
「他人行儀はよせ、なぁ」
光隆が同じセリフを言ったことで場の空気が和む。
「おお!」少しオチャラケ気味の勇介。
「早く東京に帰ってこい。昭太郎がいねぇとつまらねぇからよ!」
「ありがとう」
「だから、他人行儀はよせ」勇介が言った。
勇介ををこずいて笑い合った。
久しぶりに大きな声で笑い合った。
昭太郎はここでも話すことができなかった。
移植が治療法でなく対処法であることを・・・。
ただ、ありがたかった。
安心させてくれようと、ここまで来てくれた仲間に感謝していた。
それで充分嬉しかった。
★
転院は移植医療に通じた外科医がいるという静岡の国立病院に決定した。
3ヶ月いた昭太郎の病室には色々なモノが溜まっていた。
ラジカセ、本の山、多くの手紙、ノートパソコンに数多くのCD。
そこで生活してきた3ヶ月の結晶がそこにはあった。
段ボールに収納し始めていたそのとき、セーターの光隆とトレーナー姿の勇介が現れた。
「よく来てくれたね」
「他人行儀はよせよ」光隆が笑みを浮かべて言った。
「話は訊いた」勇介はいつもよりマジメな表情を浮かべていた。
「そうか・・・」
「俺も色々考えたけど、みんなには話したよ。そんで、今日はB型野郎を連れてきた」
と光隆が勇介の肩を叩いた。
デイルームに移動した3人は言葉少なめに話しはじめた。
「東京はどうだ?」
「みんなバラバラだよ、昭太郎がいねぇからな」と光隆。
「そうだよ、だから早く元気になって帰ってこいよ」勇介が頷く。
「・・・・」
少し静かになってしまったムードのなか光隆が切り出した。
「やるのか、移植」
「まだ決めてねぇ」
「勇介とも話してきたんだけど、昭太郎はB型だろ、俺たちO型とB型2人。ここに2つの適合肝臓がある。まぁ・・・そういうことだ」
「話し早えぇな」昭太郎が笑みを浮かべる。
「まっ、安心しろよ」
「うん、・・・安心した。ありがとう」
「他人行儀はよせ、なぁ」
光隆が同じセリフを言ったことで場の空気が和む。
「おお!」少しオチャラケ気味の勇介。
「早く東京に帰ってこい。昭太郎がいねぇとつまらねぇからよ!」
「ありがとう」
「だから、他人行儀はよせ」勇介が言った。
勇介ををこずいて笑い合った。
久しぶりに大きな声で笑い合った。
昭太郎はここでも話すことができなかった。
移植が治療法でなく対処法であることを・・・。
ただ、ありがたかった。
安心させてくれようと、ここまで来てくれた仲間に感謝していた。
それで充分嬉しかった。
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