狂愛ラバーズ
長身の男性が焦ったように、早歩きて向かってくる。





「隣を見たらいないから焦ったよ。」


「ごめんね、かれんちゃん見たら嬉しくなっちゃって。」


「全く………かれんちゃんごめんね。すいません、うちの妻がご迷惑をお掛けしてしまって。…………初めまして、夫の矢吹琉です。」





体の向きを変え、ご丁寧に頭まで下げる瑠璃ちゃんの旦那さん。





「……いいえ。初めまして、新名海斗です。」





ラフなかっこうに、銀フレームの眼鏡をかけた旦那さんの目を捉え、俺も挨拶をした。





「よかったらご一緒しませんか?瑠璃ちゃんにかれんちゃんの事も色々聞きたいですし。」


「まぁー、いいんですか?デートの邪魔になりません?」


「邪魔なんてとんでもない。かれんちゃんも喜んでるみたいですし、どうぞ座って下さい。」





失礼しますと言って、上品に振る舞う瑠璃ちゃんはかれんちゃんの隣に座った。




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