隣人の狂気
2件目は殺人事件。

自殺を見たわずか3日後、会社の同僚達と地下にあるバーで呑んでいる間の出来事だった。

俺達が会計を済ませて店を出ると、地上は一面パトカーと救急車の赤いパトランプの洪水になっていた。

見回すと俺達の呑んでいた建物からビル一つ挟んだテナントビルに人垣が出来ている。

全員ほろ酔い気分で野次馬しに向かうと、ビルの脇にある地下への階段の入口が『KEEP OUT』と書かれたテープで塞がれていた。

近くにいた先に野次馬に来ていた男に何があったのか聞いてみると「刃傷ざたらしいが詳しくは分からない」と言われた。

その時、救急隊員らしき人が担架を重そうに提げて階段を上がってきた。
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