半熟cherry

「……ん…あい…」



涼真は寝呆けながらケータイに手を伸ばす。



あれだけ気持ち良さそうに寝てたのに。

よく起きれるなぁ。

なんて。

ちょっと感心しながら洗面所に足を向けた。





「…あ、着いた?
バイク、俺のの横停めときゃイイから。
…はぁ?今さら何言ってんだよ。
いいから来いって。
…507だから、待ってんな〜」





………は?

今、なんて言った?



“いいから来い”とか。

“待ってんな〜”とか聞こえたんだけど。

“507”って。

ココの部屋番号だよね。



洗面所に向かおうとしていた足は。

ソファーに座り込んでる涼真の方に向いていた。



 

< 210 / 283 >

この作品をシェア

pagetop