半熟cherry
「あッ、おい!!郁!!
赤ガメ、ぶつけんじゃねぇよ!!」
「目の前にいっからだよ。邪魔だし」
「じゃ、お先〜♪」
「「一美センセー、スターかよッ?!」」
テーブルに出した宿題はそのままの形。
代わりに。
TVの下にしまってあったゲーム機が。
テーブルの脇に出ていた。
私が帰ってきたことにも気付かないくらい。
レースは白熱している模様。
「最終レースは俺が…」
『……俺が、なに?』
涼真の気合いの入った言葉を遮った私の質問。
「「「………え゙ッ?!」」」
3人は一斉に振り返った。