半熟cherry
…いやいや、別に付き合ってるとかじゃないし。
でも教師が生徒を“好き”とか。
マズイよね……。
いくら相手が一美でもバレたらマズイ。
落ち着け…落ち着くんだ、茜…。
冷や汗が背中を伝うのを感じながら。
必死に動揺を隠そうとした。
……が。
一美の話はまだまだ続く。
「サラッと。自然に。当たり前のように“郁”って呼んだ。
逢沢クンもそれがフツー、みたいだったし」
うーわー…。
見てないようで見てるのね……。
目が合ったら危険だと判断して。
なるべく一美の顔を見ないようにサラダの盛り付けを始めた。
と、同時に。
一美は野菜スープを作っていたお鍋の火を止めた。