この想いは・・・。



「暁、ご飯よ」


「うん」




実家に戻って1ヶ月。



あたしは、就職活動をし、この不況な社会で運よく会社の受付として正社員として採用を貰い頑張っていた。




実家は自炊しなくていいから楽だよね。



「そういえば、暁。あんた宛に届いたわよ」


お母さんは少し大きい箱をあたしに渡した。



「なにコレ?」


差出人を見ると、汚い字で『空宏太』と書かれていた。



空くん?どうしたんだろ?



箱を開けると1枚の紙きれと色紙とたくさんのラッピングされた袋が入っていた。



紙きれには『お前がいきなり辞めたから、みんな大慌てでプレゼント買ったんだぞ。感謝しやがれ』と空くんの字で書かれていた。



色紙は真ん中に、『坂野さんお疲れ様』と大きく書かれていて周りに部署の人たちからコメントが書かれていた。




『あの大声で笑う声が聞こえないのが寂しいです。 田中』


『先輩がいつも課長の頭を見て笑っていた頃が懐かしいです。 上田』


『お前に貸した30円返してもらってねーんだけど。 空』



みんな、あたしをどう思ってたの?



30円とか返さなくてもよくない?


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