丘の上より




「…」



「…」





二人の沈黙が続く…






―――あ、そういえば…






「そういえばさ、都丸さんてなんでメールのやつ、丁寧語なの?」





健史が急に話しかけるので、ゆきのは肩をビクっとした。






「え…」







びっくりして混乱していたのか、ゆきのの返事が遅れた。






「なんとなく…そう!なんとなくだよ!」





「ふーん…」






街灯の明かりが二人の影を映す。


それはまるで二人が寄り添って歩いているように見えた。







ふと、健史はゆきのの横顔を見る。ちょうどその時にゆきのも見ているのが見えた。





「…あ」






二人はそらすことなくそのまま見つめあう…






「…綺麗だね。」




健史はゆきのの顔を見たまま呟いた。






「え、えぇ!」







< 42 / 170 >

この作品をシェア

pagetop