丘の上より
「…」
「…」
二人の沈黙が続く…
―――あ、そういえば…
「そういえばさ、都丸さんてなんでメールのやつ、丁寧語なの?」
健史が急に話しかけるので、ゆきのは肩をビクっとした。
「え…」
びっくりして混乱していたのか、ゆきのの返事が遅れた。
「なんとなく…そう!なんとなくだよ!」
「ふーん…」
街灯の明かりが二人の影を映す。
それはまるで二人が寄り添って歩いているように見えた。
ふと、健史はゆきのの横顔を見る。ちょうどその時にゆきのも見ているのが見えた。
「…あ」
二人はそらすことなくそのまま見つめあう…
「…綺麗だね。」
健史はゆきのの顔を見たまま呟いた。
「え、えぇ!」