職人の娘。
女王様
小学校に入っても、私は天下無敵だった。


私に逆らう子はいなかったし、自分が不動のNo.1だって自信が快感になって、小さな王国を築いた気分。


「いじめたり、悪口言ったりする奴は、私がやっつけてやるから」


でも、なんでだろう


がき大将だったのに、みんなが仲良くしてなきゃ嫌だった。


明るいお調子者から、暗くて目立たない子までみんなが平等で楽しくなけりゃ、私が大将の意味が無いとまで思っていた。


このころには、私とお母さんは顔を合わす事が全くといっていいほど無くなっていた。


「ばあちゃん、お母さん帰ってこないの?」

「帰ってくるよ、夜中にね」


安心しているような、何か複雑な気持ち。
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