カラダから始まる恋ってありますか?
「君がジュンかぁ。噂は聞いているよ。よろしくな」
会えて嬉しいよと、満面の笑みで握手するジュンを、俺は複雑な表情で見ていた。
ただでさえ、厳しいこの世界で、強力なライバル登場か…。
これは、気合いをいれて頑張らないとな。
ミーティングルームを出て、自分のデスクで雑誌のスクラップを捲りながら
近々、うちの会社で造る、オリジナルの椅子のデザインを頭の中で巡らせる。
今度、俺のデザインが採用されたら、次の企画のデスクのデザインも任せてもらえる事になるからだ。
強力なライバルが現れたんだ。これは、より一層気合いを入れなきゃな。
「あっ、藤木。きょう空けておけよ」
突然、課長が声をかけてきた。
「きょう、ですか?」
きょうは、愛美と一緒に映画を見る約束したのにな。
「どうしても…ですか?」
「当たり前だ。きょうはジュン君の歓迎会だからな」
来いよと、有無を言わせぬ視線で見据える課長に対して、俺に、拒否権はない。
愛美…ごめんな。