クルースニク
第五章
一週間前に殺した横田美帆の血は全て飲み干してしまった。

俺は夜の街で女を捜すことにした。

目の色は赤。



特に目的地など無いはずなのに、体が勝手に何処かに向かって歩いている。

漸く体が目的地に着いたようだ。

目的地、、、それは廃墟ビル。

こんな場所、始めて来たのに体は何の迷いも無く階段を上がって行った。

ビルの中は荒れ果てていた。

床に枯れ葉やホコリ、天井には蜘蛛の巣。

壁には天井からヒビが入っていた。

使用されなくなってから、相当な時間が経っている事を物語っている。

階段を上がっている途中通り過ぎてしまった三階に、戻って寄り道をした。

三階から血の臭いがしてたまらないのだ。

俺は血の臭いを頼りに一つの部屋に行き着いた。

その部屋の扉を開けると、中には血を流して死んでいる女を発見した。

近寄ってみると首から出血している事が判った。

そしてこの女は死後数日経っていると、茶色く変色した血の乾き具合でそう思った。
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