Bad Girl~不良少女~
一番最初に口を開いたのはおばあだった。
「……そうですか。それじゃあ、一件落着ってことでいいのかい」
口元に少し笑みを浮かべたおばあはゆっくりとした足取りでうちの隣に立った。
「いや……まだなんとも言えねぇけど…」
なんだか妙に迫力のあるおばあに戸惑う。
頭をぐしゃぐしゃにして、おばあから完全に顔を背ける。
ただでさえなにも分かってないのに、そんなこと聞かれたって困るんだよ。
「…お前はどうするつもりだ」
ゆっくり、でもみんなを静まらせる雰囲気を纏った香矢が口を動かした。
「どうするって…」
別に、前と同じ関係に戻るだけでどうにもしようもないと思うんだけど。
「栗崎は、それなりの覚悟を見せたってことだろ?お前もそれに応えるだけのことはしなきゃなんねぇだろうが」
珍しく高圧的な香矢は、たぶん前の彼女のことがあるから、心配してくれてるんだろう。
香矢の言葉に一斉に視線がうちに向く。
それにうろたえてしまうのは、うちの心の中が乱れてる証拠。
栗崎の覚悟に応えるって……。
うちはどうすりゃいいんだよ。
考えてみたところでわかるわけなんかない。
うちの足りない脳みそじゃ、なんにも見えない。