不思議病-フシギビョウ-は死に至る


翌週。

結局二日しかなかった休み。

オレは凝った肩をもみほぐしながら、いつものバスを待っていた。

持っているのもいつものカバン。

いつもの朝だ。





バスが来て、オレは乗り込む。

タイヤで少し高くなったいつもの席にリンは座っていた。

オレも、リンの前の、いつもの席に座る。

一言、いつもどおり、

「おはよう」

「おはようございます」

挨拶が交わされた。





いつものように、藤沢が乗り込んできて、談笑する。

いつもどおり学校前のバス亭で降りて、いつもどおりの教室へ。



そう、メンドクサイほどいつもどおり。

まるで、先週は何もなかったかのように、今日がある。

ただ……変わったことがあるのも確か。

たとえばそれは――。



「リンちゃん、おはよう」

「あ、おはようございます」



一つ、毎朝の行事が増えたこと、な。


< 163 / 248 >

この作品をシェア

pagetop