不思議病-フシギビョウ-は死に至る


会話が途切れたら……後はわかるよな?



すげー気まずい。



話題振らないと……あ、そうだ。



「リンはバス、どの方向に乗っていくんだ?」

バス通学といっても方向が逆の場合もある。



そこでリンは、意外、と言いたそうな顔をした。



(∵)こんな感じ。



「一緒の方向ですよ。朝も同じバスに乗って来ているじゃないですか」



「そうなのか?」



「はい」

……それは気付かなかった。悪い。



「どこまで乗って行くんだ?」

「ナオキさんよりも海の方です」

オレたちが乗るバスは海の方から来て学校に向かう。

ということはオレが乗る頃にリンはすでにバスに乗っているってことだ。



あの人の少ないのに……まったく気付かなかった。

「悪い……」

本当に申し訳ない。

「別にいいですよ」

リンはなんともないような顔で答えた。



「遠いなら、送ろうか?」

何を思ってか、いきなり出た言葉は、

「いいです」

の一言で遮られた。



そして、また会話が途切れた。





少しして、バスが来た。





何も考えずバスに乗り込む。





人は多くなかったが、オレのいつもの席にすでに人が座っていた。

仕方がないので他の席に座る。



……ただ、今日はヘンテコな一日だったと思った。


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