不思議病-フシギビョウ-は死に至る


「でも、一回目で勝敗が決まったらどうするんですか」

確かにその確立はある。

だが、

「運?運を引き寄せてこそのじゃんけん上級者、いや、じゃんけんマスターではないのかね?」

「じゃんけんマスター……百年に一度現れるかどうかのじゃんけんの勇士。まさかキョウスケが……」

「だったらどうするかね?」

「お前を……倒すッ!」

ははは、と腹を抱え笑うキョウスケ。

「その名が与えられるから強いのかね?その名がなければ強さを証明できないのかね?」

何が言いたい……。

「欲しければくれてやる!だがナオキ!キミはその名に、一つの敗北を刻むことになるぞ!!」

くっ……オレが負けるだと?

「笑わせてくれるッ!!」

ならば証明してやろう!

その名、奪い取ってくれる!!

二人は、見合う。

その時を、待つ。

……来たッ!

「最初は」
「トランプにしませんか?」

リンが割って入った。

「……そうしようか、リン君」

「ええ!?あっさり!?」

気が変わるのが早いキョウスケだ。





「七並べって運ゲームじゃないのか?」

オレは場と手札を交互に見ながら言った。

「……ここの十二で上がりだ」

エイヤが場に置く。

「ナオキ、十三のキミが買いに行きたまえ」

結局オレは負けてしまった。


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