不思議病-フシギビョウ-は死に至る
「買いに行くよ。金は後から出してくれ。……要望は聞かねえ」
無論、メンドクサイからだ。
電車が駅に停車して、走って買いに行った。
それで昼食を済まして、オレたちは目的地を目指した。
「ご苦労様です」
旅館で着物を着た人から言われた。
思ったより広い旅館……というか、ホテルレベル。
本館別館とあり上は八階まで。
部屋に通された後、ほっと一息つく。
ちなみに部屋は男女分かれて二部屋、今は全員が男部屋に集まっている。
「見たまえ!海だよ!!」
部屋のベランダに出たキョウスケが叫んだ。
……だから、泳げない海でテンション上げないでくれ。
「これからどうする?」
カナコが言った。
「もちろんここら辺の探索ではないのかね?あと海」
妥当な案だ。
六人は散歩に出かけることにした。
「というわけで、市に来てみたのだが」
「『市に来てみたのだが』じゃねえよ」
辺りを見回すと、人、人、人。
新鮮な魚介類が並んだ市場では、一メートル向こうが見えないほどの人ごみだった。
「少なくとも学生が合宿で来るような場所じゃねえ!」