不思議病-フシギビョウ-は死に至る
所々で迷子センターの文字と矢印が書かれた看板を見つけ、オレはその指示通りに進んだ。
そして、やっとその迷子センターにたどり着くと、
「……遅いです」
リンがいた。
「遅いじゃねえよ!どっちが迷子だあ!」
「ナオキさんじゃないんですか?」
違う。
「オレはキョウスケやカナコと一緒にいたんだ。三人と一人……どっちがはぐれているかは明白だろ」
「今はお一人ですよね」
……確かにそうだが。
「どっちが先に迷子になった」
「迷子に先も後もないです。……それよりもこうやって確実な方法で呼び出したから、私が迷子ではありません」
ダメだ……滅茶苦茶だ。
そこへさっきの放送を聞いたのだろう、キョウスケとカナコがやってきた。
「やあ、リン君……と迷子」
「オレがかよ!!」
「でも迷子センターに呼び出されていたんだよ。恥ずかしいことに」
オレが一番恥をかいている。
「まあとりあえず……二人とも、ちゃんと行動したまえ」
「……はい」
「ああ」
さすがにシャレにならないこともあるかもしれない。
今後は気をつけないと。
今後は……ないだろ。