不思議病-フシギビョウ-は死に至る


「何で……何でって、何でそんなこと聞くんだよ」

「前に来られると本が読みにくいです」

そんなことかよッ。

「ここに知らない奴が座っても言ったか、それ?」

「いえ、別に。……知らない人は振り向きませんから」

んだよ、それ。

「後ろの席は?」

「この席は高くなっているから本の中身を見られることはないですし、それ以上気にしていては本が読めません」

オレには基準がわからん。

ただ、

「オレはいつもここに座っているから、今日もここに座るんだよ。お前と大して変わらない」

オレはそう思う。

「そうですか。……そうかもしれません」







「私もこの席にいつも座っているんですよ」



いつも。

昨日はどうだっただろうか?



曖昧な記憶を探るが、見つからない。

……まあいいか。



「今日も部活に出てくださいね」

リンが唐突にそんなことを言った。

「あ……当たり前だろ」

メンドクサイけど。

「部活として認められなきゃいけないからな」

オレはそこまで、だ。



「それからは?」



ギクッ。



「冗談です」



何だよ……。


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