不思議病-フシギビョウ-は死に至る


「リンです。クラスでも後ろの席にだから知らないんでしょうけど、クラスメートです」

「ごめんごめん、僕は藤沢。気付かなかったよ」

すりあわせていた手を顔の前で合わせて謝る藤沢。

でも、本当に気付かないものだなあ。



「ナオキさん、ちゃんと部活に来てくださいよ」

「わかってるって」

リンはきっちりしていると思う。

「へえ、一緒の部活……文芸部なんだ」

「実は文芸部に固執する幽霊でな」

「な、なんだってー!?」

「もういいです……」

「うん、嘘だ藤沢」

「酷いよナオキ〜」



藤沢とのふざけあいもそこそこに、オレとリンは文芸部部室に向かう。

しかし……なんでリンは執拗にオレを誘うんだろうな?

聞いていいものだろうか?

オレにはリンが、部活をサボりたいオレの気持ちを見透かしているようで、そのことを聞きたくなかった。

開き直ってしまえばその通りなので、気にしないという手もあるが……。

そうするには思っていたより、オレとリンは接点が多かった。

だから、精神的に圧迫感がある。



「どうしました?うかない顔して」

「いや、何でもない」



こんな感じで、見透かされているかのような気分になる。


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