たべちゃいたいほど、恋してる。
喉は水分を失ったようにカラカラだ。
喉と喉が張りついてしまったような不思議な感覚に襲われる。
それでも携帯から聞こえてくる龍之介の声に縋るかのように、必死に口を開く優衣。
「たす、助け…!」
擦れた声では最後まで言葉にならなかった。
だが、相手は神経を研ぎ澄まして優衣の声を拾おうとしていた男。
龍之介にはそんな微かな助けの声も十分伝わっているだろう。
その証拠に、龍之介がごくりと喉を鳴らす音が機械越しに確かに聞こえた。
思いが届いたことを願いながら、優衣はぎゅっと目を瞑り龍之介からの返事を待つ。
その間にも徐々に部屋に近づいてくる足音。
それは遂に部屋の前で鳴り止んで。
次の瞬間には再び部屋のドアを叩き始めた父親。
「…ひぃっ…」